オリーブオイルは加熱しても抗酸化作用が維持されるのか?

olive-oilオリーブオイルがとにかく健康に良いです。

オリーブオイルを摂取することで有益な脂肪酸が作られ、非常に強い抗酸化作用を示すからです。

そんなオリーブオイルは世界中の食卓で使用される主要な健康食品の1つですが、調理の際に加熱して使うのは良くないと考えている人が少なくありません。



こういった考えの人たちは『オリーブオイルはフレッシュな生のままを食べること重要だ』と考えていますが、果たしてそれは本当なのでしょうか?

そこで、今回も科学的な目線からオリーブオイルの魅力とその適切な調理法を探っていきましょう!


なぜ食用油は調理方法が重要なのか?

olive-pour一般的にオイルが高温状態にさらされると、変性します。

これは大豆油やキャノーラ油に代表される食用油の中の「高度不飽和脂肪酸」が熱によって科学的に変化するからです。



この種類のオイルは高温にさらされ続けるとガンなどを引き起こす可能性のあるアルデヒドや酸化した化合物に変化するのです。(1,2)

こういった「発がん性」のあるオイルは蒸気となって鼻から吸い込まれ肺がんなどを引き起こすと考えられています。

そのため、キッチンにいるだけで危険なのです。(3,4)



もしも、気化したオイルによる癌発症のリスクを最小限に抑えたい場合は、次の2つのポイントに気をつけましょう。
  1. スモークポイント:油が熱によって壊れて、煙になる温度
  2. 酸化安定度:油がどのくらい酸化に耐えられるか

オリーブオイルは高温に強い

triglyceride
一方で、オリーブオイルには「高度不飽和脂肪酸」よりも「一飽和脂肪酸」の方が豊富に含まれています。

1つの中性脂肪には3つの脂肪酸が結合しています。

この結合する脂肪酸の形や分子量が脂質の種類によって異なり、それぞれの特徴を決めているのです。



簡単にいうと脂質は次の3つの種類に分けられます。
  • 飽和脂肪酸
  • 高度不飽和脂肪酸
  • 一不飽和脂肪酸
この中でも不飽和脂肪酸はとても不安定で簡単に酸化します。

そのため、熱が加わると変質しやすいのです。

逆にココナッツオイルのような飽和脂肪酸の塊であれば、熱に強く変質しません。(5)



オリーブオイルは3つの結合のうち1つだけが不飽和の『一不飽和脂肪酸』なので、どちらかというと変質しにくいのです。



データによるとオリーブオイル内の「一不飽和脂肪酸」の比率は73%、「高度不飽和脂肪酸」の比率は11%ですので、キャノーラ油と比べてはるかに有害性が少ないと言えます。(6,7)


エクストラバージンオリーブオイルには多くの抗酸化物質が含まれている

olive-oilもしもオリーブオイルを購入するなら、エクストラバージンを選びましょう。



エクストラバージンとは1番搾りのオリーブオイルのことで、「ビタミンE」や「抗酸化作用」のある物質を豊富に含んでいます。(8,9)



ビタミンEの主な効果は「身体の酸化」を食い止めることです。

フリーラジカルと呼ばれる電子が細胞膜に付着すると破壊的な作用をするのですが、ビタミンEにはこれを抑制する作用があるのです。(10,11)


オリーブオイルには酸化ダメージを抑制する効果がある

olive-bubble先ほども述べた通り、オリーブオイルには抗酸化物質が豊富に含まれています。

一般的な油は室温でも酸化が進み、独特な油くさい匂いを発生させます。

しかも、温度が高くなることでこの化学反応が一気に加速するのです。



一方、多くの研究からオリーブオイルを高温状態に長時間晒しても変質しないことが明らかとなっています。



ある研究ではオリーブオイルを24時間も高温に晒し続けましたが、ほとんど酸化しなかったと報告しています。(12)

また別の研究でも、「ひまわり油」が有害な酸化物質に変化したのに対して、オリーブオイルは酸化しなかったと報告しています。(13)



しかし、中には熱したオリーブオイルを食事とともに食べたことで血中の酸化レベルが、熱していない場合と比較して上昇したという研究もありました。(14)

この研究で使われたオリーブオイルはエクストラバージンではなかったのと調理後8時間経ってからの実験だったのでどこまで参考になるかは疑問が残ります。



また8回連続で熱した場合も有害な「トランス脂肪酸」の生成がわずかに0.045%〜0.082%しかなかったという報告もあり、その熱に対してかなり安定していことが判明しました。(15)


炎症を抑え、肌を酸化ストレスから守る効果がある

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顔の皮膚は日光にさらされることでダメージを受け、炎症を起こします。



年齢が若いうちはコラーゲンを産生するスピードも速いため比較的軽度で済みますが、光老化によって受けた傷は肌細胞に蓄積していきます。



紫外線によって活性化された電子から肌細胞を守るためにも、オリーブオイルから作られたスキンケアなどを使って外部から抗酸化物質を補給することも重要です。


オリーブオイルのスモークポイントは高い

boilingオリーブ油が蒸発し始める「スモークポイント」は大体190〜215℃の間です。

比較的高温にならなければスモークポイントに達しないことと、熱による変性が起きにくいことから調理中の発がん物質による影響はあまり気にしなくて良さそうです。



しかも、オリーブオイルを180℃の状態で36時間放置した実験では抗酸化物質とビタミンEが失われたもののほとんどの成分が変性しなかったという報告がされています。(16)

3日間も料理し続ける人はいませんが、一応安心できる結果ですね!



その他の研究でも、「オレオカンタール」という抗炎症作用のある成分が喉の炎症に良いことも分かっています。(17)

ちなみにオレオカンタールはオリーブオイルの風味も構成している成分で、240℃で90分間熱し続けると、化学テストで19%、味覚試験で31%失われるので料理の味を深めるためにも加熱のしすぎは気をつけたほうが良さそうです。(18)



他にもレンジや熱湯での加熱実験からは、大きな影響はないとのことです。(19)


オリーブオイルの加熱実験 まとめ



オリーブオイル、特にエクストラバージンオリーブオイルにはビタミンEや抗酸化物質が豊富に含まれています。

これらの成分は、加熱によって壊れることはほとんどなく、また有害な酸化もしにくい性質があることが分かりました。

しかし、長時間の加熱で風味は失われるので、調理の際は必要最小限の加熱を行うとオリーブ本来の味が楽しめます!